トレードを考える上で、意外に悩ましいのが時間軸の問題です。
チャートソフトでは色々な時間軸を表示できますが、一体どの時間軸でトレードするのが一番いいのだろうか?と思うこともあるでしょう。
私としては、「どの時間軸が良いのかは、トレーダーの生活のリズムや手法、性格によって違ってくる」と考えています。
なぜなら、特定の時間軸だけ良い動きをするわけではないからです。
それを踏まえて今回は時間軸について思考をめぐらしてみたいと思います。
先に書いておきますが、明快な結論もオチもありません。
チャートとは、コントラディクト(矛盾)でアンビバレント(両面価値)な解釈をさせるものです。混乱を避けたい方は、読まない方が良いかもしれません。
時間軸が大きくなると、視野が広がり、多くのトレーダーの動きが見えてくる
チャートの時間軸が1分足⇒1時間足⇒日足と大きくなると何が違ってくるでしょうか?
よく言われるのが、「テクニカルの精度が上がる」です。
その理由は見ている人の数が増えるから。
1時間足や日足は時間的に節目となりますから、多くのトレーダーが見ています。
多くのトレーダーが見ているということは、それだけトレーダーの総意がチャートに反映されていると考えられるため、チャートの精度も上がるという理屈です。
では、節目となりにくい時間足ではどうでしょうか?
これはなかなか難しい問題です。
例えば1時間28分足(88分足)は1時間足よりは大きいですが、1時間28分足を見ている人は決して多くはないはずです。
試しにPeriod converterでポン円の88分足を作ってみました。
(チャート左が1時間28分足、右が60分足、インジはSMA20)
どちらも同じ価格の推移を示しているのにも関わらず、形状が違ってくるのはチャートの面白くも不思議なところだと思います。しかも、特定の時間軸特有の動きもありません。
さて、88分足と1時間足のどちらがトレーダーの総意を反映しているのでしょうか?
見ている人の多い1時間足なのか、それとも期間が長い88分足なのか?
上のチャートを見ると、88分足でも20MAのグランビルが機能している点が多く見当たります。もちろん1時間足でも…。
答えは、検証してみなくてはわかりません。
検証したとしても、とある条件では88分足が優れていて、他の条件では1時間足が優れていたといった感じで、絶対的にどちらが優れているような結果にはならないと思います。
(市場参加者の総意がより反映されているとしても、それが手法の優位性につながるかどうかは別問題です。)
ちょっと極端な例ですが、時間軸について考えてみると、チャートに対する理解が一気に深まります。
相場は連続して動き続けています。
それを、我々が勝手に任意の時間帯ごとにブチっと切り離したのが時間軸です。
ただ、それだけです。
普段何気なく見ている時間軸について思考をめぐらしてみると、新たな発見がありそうです。
もしかすると、一般的に言われていることが、全てのケースに置いて必ずしも正しいわけではないのかもしれません。
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