ライン系の教材やブログによく出てくる言葉があります。
「世界中のトレーダーが注目する○○」です。
○○には水平線とかトレンドラインといった単語が入ります。
私はこの「世界中のトレーダーが注目する」という言い回しは、「全米が泣いた」と同じレベルの信憑性のない適当な言葉だと思っています。
本当に世界中のトレーダーがそのラインやレートに注目しているのかなんて分かりません。一人一人に質問して聞かないと真実は分からないのです。
一応ラインからは注文が集まっていそうなレートを推し量る事が出来ますが、具体的にどれくらいの注文があるのかについては、各FX業者や銀行の注文具合を見ないと分からない訳です。
それに、最近のヘッジファンドの多くがアルゴリズム取引がメインですし、AIの導入も始まっています。
これらのような、一般的な人とは違った考え方をする市場参加者が増加し、それらがマーケットインパクトを持つようになった現代において、「世界中のトレーダーが注目する」という言い回しは誇大表現も良いところではないかと思うのです。
ダウ理論は過大評価されすぎ?
もちろん私はライントレードを否定するワケではありません。
一つの相場分析手段として、有効に使えるのであれば使うべきです。
ただ、私が一つ気になっているのが、ダウ理論が日本では、もてはやされ過ぎではないか?という懸念です。
海外のサイトを色々と見ても、FXに関するサイトでダウ理論を熱く語る所は少ないです。そもそも株式市場についてまとめられたモノですので。
それにもかかわらず、1番目~6番目を都合よくFX市場用に解釈し直して、特に③の「主要トレンドは3段階からなる」、⑥の「トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する」を重宝して様々な尾ひれが付いている・・・というのが現状な気がします。
ダウ理論でも相場の読めるわけではない
私が今更なぜダウ理論について書くのか?というと、最近、ダウ理論やそこから派生したライントレード手法を説いた商材を買ったからです。
内容としては悪くなかったですし、説得力もありました。
ですが、どうもダウ理論に関する解説というのは理屈ばかりが先行して、実際に前の見えない相場でどうやって考えて対峙していくか、が少ないように感じます。
市場の環境分析として利用するのは良いと思いますが、それとは別に自分のエントリートリガーとなる明確な基準は持つべきだなと思います。